素直に気持ちを表現できるデレデレ男子のデレデレっぷりを見ながら、ああはなりたくないが素直に気持ちを表すことができるのは羨ましいと思っている場面において、ツンデレは輝きを増すのです。
さらにデレデレ男子も、なんでアイツ好きって言わないんだバカなの死ぬのと呆れつつも、そのツンデレ男子がいざという時に口にする「好き」という言葉と、自分が普段日常的にそれこそ呼吸をするのと同じぐらいの頻度で口にする「好き」という言葉の重みを比べて、ツン男ずるいなぁとか思ってるといいのです。もうお前ら付き合っちゃえよ。
そもそもツンデレとはツンツン+デレデレからなる造語でありますが、
ツン→デレ(移行)
ツン|デレ(使い分け)
ツ{デレ}ン(ツンの中にデレがある)
ツン(デレ)(愛がなければ見えないデレ)
と異なるというのはお分かりでしょうか。
それらが一くくりにまとめられ「べ、別にアンタのことなんか好きじゃないんだからな!」という台詞に集約されてしまうのは大変に嘆かわしい現状であります。
個人的には「好きじゃないんだからな!」よりも「……嫌いじゃない」とか「好きで悪いかバカ!」みたいな台詞の方が好みです。さらに言うと真っ直ぐ目を見て言うか赤くなった顔を背けるように言うかで全く異なる趣があるというものです。
このようにツンデレ台詞一つとっても様々なバリエーションが存在します。
ツンデレの発生条件は【素直になれない】がその最たるものだと思います。この【素直になれない】というのは【素直にならない】とはまた異なります。
例えば相手が傷つく顔が見たいが故にあえて冷たい態度を取り、冷たくされて落ち込んでいる相手に掌を返すように優しく接し付けいるというのは計画的なドSであり、後述するツンデレならではの葛藤が存在しないためツンデレとは異なるものとさせていただきます。
余談となりますが私はこういうプレイが大好きです。されたら興奮するし、やれるものならやってみたい。飴と鞭って素晴らしい。
以下【素直になれない】を4つのタイプに分類し、それについて簡単な説明を加えていきます。
【プライド型】
今まで自分が相手に惚れるなんてありえないという前提でぞんざいな態度をとってきたため、いざ惚れちゃうとどう接していいか分からない。今までの偉そうな口なんだったんだよプみたいなことを言われたくない、素直になりたくてもなれないタイプ。
完璧主義者のため、恋愛の一つ二つでぐるぐるしている自分を認めたくないというのが素晴らしいですね。
【硬派型】
漢たるもの女子にデレデレするのは示しがつかんという硬派な世界に生きてきたため降って湧いた初恋にいっぱいいっぱい。据え膳は美味しく頂戴するものだと知ってはいるもののいざ目の前にすると行動できずてんぱる→思ってもいないことを口走って後悔のエンドレスエイト。
不純異性交遊なぞ学生がするものではないという堅物委員長タイプをここに分類するか否かは今後の課題です。
【自己防衛型】
仲間の裏切りや家庭の不和などで人間不信に陥り、どうせお前も離れていくんだろ、自分のことなんか誰も好きになるはずないという中二っぷりを遺憾無く発揮。しかし根気と気合いで頑なな心も徐々に雪解けを迎え、ぎこちないながらも小さな恋のメロディがはじまるタイプ。
自分と関わっても相手は幸せになれない、傷つけてしまうから近寄らないで欲しいという前述したものと異なるベクトルの中二病も、相手を傷つけないという口実で自分が傷つきたくないという自己防衛型のツンデレに区分したい。余談ですが私はこういいツンデレが大好きです。不良だといい。
【関係重視型】
幼なじみ・兄弟・敵対・主従など何らかの理由で恋愛関係になると不具合が生ずる環境において自分の中の恋心を抑えるためにあえてツンツンするものの、ツンツンすればツンツンする程止まらなくなる恋心。
相手も同じ理由でツンツンしてきてツンツン二重奏になってるともっといい、傍目から見たら早くくっつけよと大変に歯痒いというのがおいしい。ゆくゆくは見えない角度で手を繋げばいけばいいと思います。思います。
以上の4つに暫定的に分けたものの、「硬派な幼なじみ」など複合型や、「プライド型かと思ったら自己防衛型だった」というカモフラージュ型、ここに分類できないタイプなどにも早速心当たりがあるので実際はもっと複雑だと思われます。しかしこの単純化した4つのタイプから考察するに、ツンデレには「変化に対する恐れ」が共通するのではないでしょうか。
彼等は恋愛感情によって自分の内面が、時には相手含む他者の自分に対する見方が変化することに戸惑い、恐怖を抱くのです。一方そういった感情の裏には、自分の殻を破って変わっていきたい、相手との関係を進展させたいという願望があり、逆説的な感情が内面的な葛藤を生むのです。
ツンデレの魅力はこの内面で葛藤し、時として葛藤の結果「好きな子ほど意地悪言っちゃう」「素直になれなくて落ち込む」という若さ・青さなのではないでしょうか。
以前書いた文章を使いまわす外道だよっ
以上、めぐるでしたー(゜▽゜)